木の章 鹿


4 PC筋を鍛える

 
 鹿が尻尾を動かすのは、「PC筋」と呼ばれる筋肉の収縮と弛緩によるものです。

 PC筋は、もちろん人間にもあります。別名「骨盤底筋」とも呼ばれていますが、骨盤の恥骨と尾骨をつなぐように、8の字状についています。

 常に尻尾を動かしている鹿は、このPC筋が強く、その結果、督脈の通りがよいとされています。

 逆に、人間は、一般的に督脈の通りが悪いのです。それは人間が立って生活していて、常に頭の重みは首に、上体の重みは腰椎の辺りに集中し、背骨が、首や腰の部分で歪みやすく、「気」が十分に流れていないためです。
 
また、内臓の重さが骨盤にかかる結果、恥骨と尾骨を引き締めているゴムのようなPC筋(骨盤底筋)は、知らず知らずゆるんでしまうのです。

 PC筋が緩むと腹部の筋肉もゆるみがちになり、腰に力が入らなくなってしまいます。その結果、腰痛、肩こり、内臓下垂、便秘など、さまざまな病気が生じるのです。

 「鹿に学ぶ」のは、まずこのポイントです。つまり尻尾のない人間の場合、「PC筋の弛緩と収縮」を行うことなのです。

 古代の道士・仙人を目指す修行者達は、このPC筋運動を一日に一万回以上行っていたということです。



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